小規模マンションを管理会社が嫌がる理由

マンション管理の現場では、**小規模マンション(概ね30戸以下)**は、管理会社が積極的に受託したがらないと言われることがあります。

その理由は、単に管理費が少ないからではありません。

実際には

  • 住民一人ひとりの発言力が大きい
  • 理事会と総会の距離が近い
  • 合意形成に時間がかかる

といった特徴があり、標準化された管理体制では対応しにくいという事情があります。

ここでは、小規模マンションの管理の現実について、現場の視点から解説します。

小規模マンションとはどのくらいの規模か

一般的に、小規模マンションとは概ね30戸以下のマンションを指すことが多いです。

管理費の相場や経済性を考えると、30戸以下のマンションでは管理員を常駐させることはほとんどできません

多くの場合、週2〜3回程度の清掃員勤務という形になります。

ちなみに、戸数が50戸程度になると、管理員を配置すること自体は可能になります。

しかし、仮に平日9:00〜17:00の常駐管理とすると、管理費会計の収支はかなり厳しくなるケースが多いのが実情です。

小規模マンションはコミュニティが強い

小規模マンションは、竣工当初から住民同士の顔が見えやすい環境です。

そのため、比較的良いコミュニティが形成されるケースも少なくありません。

実際に、

  • 専有部分の売買がほとんどない
  • 竣工時の住民が多く残っている

というマンションでは、築40年近く経っても住民構成が大きく変わらないというケースもあります。

このようなマンションでは、コミュニティの中で自然と重鎮的な存在の住民が生まれることがあります。

管理会社と対等に向き合う住民が生まれることもある

長年売買が少ないマンションでは、コミュニティの中に、管理組合運営に詳しい住民が育つことがあります。

そのような住民が理事会の中心になると、

  • 管理会社との適度な緊張関係
  • 管理委託費の適正化
  • 不要な支出の抑制

といった形で、管理会社と対等に向き合う管理組合が生まれることもあります。

実際、竣工時に高めの管理費設定がされていたマンションでは、30年後の管理会社リプレースの際に、非常に潤沢な管理会計となっているケースもあります。

ただし、このような例は決して多いわけではありません。

多くのマンションでは管理費は高く設定されない

マンション販売時には、管理費が高いと販売に影響するため、極端に高い設定になることはあまりありません。

その結果、多くのマンションでは、概ね適正価格で管理がスタートします。

新築当初は

  • 管理会社を疑う住民はほとんどいない
  • 組合運営に口出しする人も少ない

という状態ですが、築15年程度を超える頃から、長く住んでいる住民は少しずつ「何かおかしいのではないか」という点に気づくようになります。

小規模マンションでは発言力が大きい

戸数の多いマンションでは、仮に専門知識を持つ住民がいたとしても、発言の機会は総会程度というケースが多いです。そのため、議事進行に大きな影響を与えることはあまりありません。

しかし、小規模マンションでは事情が大きく異なります。

戸数が少ないため、一人ひとりの発言力が非常に大きくなるのです。

場合によっては

  • 総会出席者と理事会メンバーがほぼ同じ
  • 全員理事でもよいのではないか

という状況になることもあります。

このような環境では、様々な視点から意見や質問が出ることが多くなります。

結果として、住民同士の議論を通じて最適解を導き出すという形の運営が自然と成立することもあります。

管理会社にとっては工数が増える

しかし、管理会社の立場から見ると、事情は少し異なります。

管理会社は、基本的に同じパターンで効率よく管理することで事業を成立させています。

そのため、

  • 発言力の高い住民が多い
  • 理事会で細かい議論が多い

といった管理組合では、担当者レベルでは対応が難しくなることがあります。

また、ワンオーナーの建物管理とは違い、区分所有者の合意形成が必要になるため、運営の難易度はどうしても高くなります。

小規模マンションの管理は本来難しい

このことは裏を返せば、管理会社のフロント担当者は単なる事務担当ではなく、本来は運営能力が求められる仕事だということでもあります。

しかし、そのような付加価値を、数字に落とし込むことは難しいという事情があります。

営利企業である以上、

  • 合意形成
  • マネジメント

よりも、効率や回転数が重視されるのは、ある意味では仕方のないことなのかもしれません。

小規模マンションに必要なもの

小規模マンションが健全に維持管理を続けていくためには、

  • 管理組合と同じ方向を向く担当者
  • 担当者の立場を理解できる理事会

この両方が必要になります。

小規模マンションは効率だけでは管理できない反面、理事会が機能すれば非常に良い管理が実現できる可能性も持っています。

30戸以下で管理会社との相性に悩むなら、選択肢を整理します。

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もし理事会運営やマンション管理で困っている場合は、小規模マンションの管理サポートについてもご相談ください。

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