自主管理マンションの限界はどこか?

理事長が知っておくべき5つの現実

自主管理マンションの限界は「属人化」です。

自主管理マンションが長く続かなくなる最大の理由は 属人的な管理です。

管理を担っていた中心人物がいなくなると管理が維持できなくなります。

実際に多くのマンションで

・高齢化
・理事不足
・清掃や点検の外注
などの問題が発生します。

では、なぜこのような問題が起こるのでしょうか。

自主管理マンション最大の弱点

 昔は結構多かった自主管理マンション。

 その考え方は、自分たちで自分たちのマンションを管理する、これが最もコストがかからず、レスポンスも早く、自分たちのためになる管理ができる最良の方法というものでした。

 ただ、当初からわかっていたことですが(管理組合は基本的にどこもほぼ同じですが)自主管理マンションの場合、特に属人的になりやすいことが最大の弱点です。つまり、できる人がいる時はいいけれども、その人が売却したり、引っ越したりして、役員として不在になった時、同じことをできる人がいなくなり、マンション管理が崩壊する、というところです。たとえ、前任の役員が、しっかりとした資料を残していたとしても、または、細かい手順書などを作成していたとしても、人間は機械ではなありませんから、徐々に判断がズレていってしまい、いつのまにか更新されないマニュアルが活用されなくなっていくのです。

 これは、輪番制といいつつ、全員が同じレベル・種類の能力を持っているわけではなく、長年協力してやってきた結果、得て不得手に応じた役割分担が、自然と出来上がってしまったところが、自主管理マンションの弱点となってしまったのです。

高齢化で管理が崩れる

 そんな中、何とか管理組合運営を復活させようとして、自ら苦労して専門家に相談したり、勉強を重ねた理事長が、時々現れます。理事長は、自分の説明ではわかりにくいだろうと、理事会にその専門家を連れてきて、説明してもらおうとしますが、特に自主管理マンションの場合、外部からの専門家は、長年連れ添った組合員を全否定される、と反射的に拒否反応を示すことも多く、根回しという下地がなければ、専門家の参加さえ認められません。

 なぜこのようなことが起こるかというと、高齢化が一番の問題ではあるのですが、加えて人間歳とると温和になると思っていたところ、どうもそうではなく、高齢者ほど、了見が狭く、 すぐ怒る、人の意見を聞かない、 理解できないことは認めない、 理解しようともしない、ことが多いようです。昭和の時代はそのように感じてはいなかったのですが、そもそもの高齢者層が増えてきたのが原因かも知れません。

 一般的な傾向として、そのような管理組合や理事会が、同じ方向を向いて協力して進めるわけがありませんし、合理的にまとまることも困難でしょう。また、一生懸命勉強した理事長自身も、今では高齢者であることが多く、自分がやってきたことを否定されると、これまた結構キレやすく、もう、理事会がまとまる理由がありません。

管理会社を導入できないマンション

 そんなこんなで、いよいよどうにもならなくなって、最初に困るマンション管理業務が、皆で実施してきた清掃業務です。肉体労働系ができなくなります。そこで、その部分だけを外注に出すという方法が選択されるのですが、 例えば シルバー人材センターなどに発注すると、今度はその作業の監督、マネジメントをできる人が必要になってきます。そういった人物がいるかいないかで、また話は変わってきます。仮にいたとしても、相変わらず、属人的である方向に変わりはなく、結局のところ、住んでいる人だけでマンション管理をやろうとする自主管理の考えそのものが、自主管理 マンションの限界を示しているとも言えます。

 そしていよいよ属人的な部分も継続不可能になって、何とかしなければということで、 属人的ではあるが中心的な人物が、他の組合員をまとめられる間に、管理会社を導入して、なんとか助かったところはあります。ただ、当然ですが、その時点で管理費の値上げは発生しました。その値上げの合意形成も含めて、このマンションの場合は、中心的人物の存在が重要でした。

 しかし、場合によっては、修繕履歴不明問題や管理費等滞納問題などもあったりすると、管理会社は嫌がるため、ここへ来て理事長はハタと困ってしまいます。現状を一番把握して将来を一番よく考えて全体をよりよくしようと、報酬もなしに働いてきた理事長の、受け皿がない!ということに気づきます。さらに、自主管理のために相談する場所もなく、同じ住人で同様の考えを持っている人がどれだけいるかもわからない、自分の考えの温度と他の人たちが考えてる温度との差がもどかしく、 なんでわからないんだ!と叫びたくなります。

理事長が孤立する理由

 ところが、一般の住民からすれば、わからないものはわからないし、何がわからないのかも実はわかりません。単に自分の家を買っただけであって、そのために必要な管理組合への協力は、輪番や、班長など、断ることなく今まできちんとやってきている。私はやってきたのに、どうしてあなたはできないというのか、と思っているのです。突然、あなたの代になって、お金を払って解決すると言うが、それは、楽をしようとしているのか、そんな発想になるのです。

 そもそも管理組合という組織は、正論が通るのではなく、誰が言ったかが通る世界です。法治国家ではなく、人治国家という性格を持っているのです。だから場合によっては、声が大きいだけの人の意見が通ることもあるし、あの人の言うことならというだけで通ることもあり、それが正しかろうが、間違っていようが、法的にどうであれ、管理組合内で、皆が納得すれば、それでよいのです。特に自主管理マンションの場合、その傾向は顕著です。管理会社の担当者も居ず、第三者的立場から発言する人物がいなかったため、極端な話、法的にアウトだったとしても、何のアドバイスもないまま、進まざるを得なかったことが原因です。

 昨今、専門家としての第三者を入れようとマンション管理士という資格を設けていますが、これは業務独占ではなく、名称独占であり、区分所有法等に関する専門知識はあるものの、管理組合運営という実務能力があるとは言い切れません。マンション管理士本人が、マンションに住んでいて、理事長経験もあり、様々な取りまとめもやってきたのであれば、第三者として頼れるかもしれませんが、そういった人望のある人物が、マンション管理士を目指すことはあまりないようです。そもそも人望があれば専門性は必要ないからです。管理組合をまとめることができれば、属人的でも問題ないのです。

 そういう意味でも、自主管理マンションで、長年管理運営がうまく出来てきたところほど、専門家は余計なお世話でしかない、というジレンマに陥るのです。

まとめ

自主管理マンションは 住民の協力があれば非常に合理的な管理方法です。

しかし

・属人的な管理
・高齢化
・専門知識不足

などの問題が重なると 運営が難しくなります。

自主管理マンションの運営で悩んでいる理事長の方へ

マンション管理は本来、理事長一人で抱えるものではありません。

しかし実際には、理事長だけが将来を考え、悩んでいるケースが多くあります。

関西建物センターでは、小規模マンションや自主管理マンションの管理支援を行っています。

理事会の整理や管理会社導入の検討など状況に応じた方法を一緒に考えます。

自主管理を続けるか、外部支援を入れるか迷うなら、判断材料を整理します

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