小規模マンションの管理会社の探し方
現在の管理会社から、大幅な値上げを通知された。
自主管理を続けてきたが、役員の高齢化などから限界を感じ、管理会社を探したところ、何社にも断られた。
見積りを取ることはできたが、提示された管理委託費が高く、とても支払える金額ではなかった。
小規模マンションでは、このような相談が珍しくなくなっています。
では、どうやって管理会社を探せばよいのでしょうか。
「管理会社ランキング」から探せばよいのか
ネットで「マンション管理会社 ランキング」などと検索すると、多くの管理会社が出てきます。
ひと昔前であれば、その中から現在の管理会社と同規模の会社や、中堅の管理会社を数社選び、相見積りを取れば、管理会社変更まで比較的スムーズに進められるマンションも少なくありませんでした。
しかし、小規模マンションでは、現在はそう単純ではありません。
管理会社は、受託するかどうかの判断を様々な条件を考慮して決定するからです。
例えば、
- 管理費等の滞納が多い
- 会計資料が十分整理されていない
- 管理規約や総会議事録が揃っていない
- 長期間、自主管理で特定の人しか状況を把握していない
- 理事会がほとんど開催されていない
- 修繕が長期間先送りされている
- 居住者間の対立が強い
- 管理会社に求める業務が非常に多い
といった事情があれば、受託を断られることがあります。
受託はできても、それだけ管理会社側の業務量が増えると判断されれば、高い管理委託費が提示されることもあります。
つまり、
「小規模だから断られる」のではなく、小規模であるうえに管理工数が大きいマンションほど、引き受けてもらいにくくなる。
ここを理解しておく必要があります。
小規模マンションは「標準型」で考えにくくなっている
特に築年数の経過した小規模マンションや自主管理マンションでは、マンションごとの違いが非常に大きくなっています。
同じ20戸でも、
長年安定して自主管理を続け、資料も会計も整理されているマンションと、
理事長が一人ですべてを抱え、会計や修繕履歴も十分整理されていないマンションでは、管理会社から見た受託の難しさはまったく違います。
設備の数、築年数、修繕履歴、役員体制、住民構成、滞納、管理費水準。
30年、40年と管理組合を運営してきた結果、それぞれのマンションに固有の事情が蓄積されています。
したがって、
「20戸だから月額○万円」
という一律の管理方法では対応しにくくなっています。
小規模マンションほど、何を管理会社に任せ、何を管理組合側に残すのかを個別に考える必要があります。
管理会社を探す前に、まず相談先を一つ見つける
では、どうすればよいのか。
私は、いきなり管理会社を10社探すことから始める必要はないと思っています。
まずは、相談できる窓口を一つ見つけることです。
マンション管理センターでも構いません。
自治体などが行うマンション管理相談でもよいでしょう。
マンション管理士でも、管理会社でも、マンション管理に詳しい人でも構いません。
最初から「管理会社を変更する」と決める必要もありません。
まず、
「今のマンションは何が問題なのか」
「本当に管理会社を変更する必要があるのか」
「管理会社に何を任せる必要があるのか」
を整理することです。
理事長でなくても構いません。
一般の区分所有者であっても、管理について疑問を持ったのであれば、まず情報を集めることはできます。
次に、一人でいいので仲間をつくる
もう一つ重要なのが、管理組合の中に同じ問題意識を持つ人を見つけることです。
管理組合では、一人だけ正しいことを言っていても、物事はなかなか動きません。
これは、その人の意見が間違っているからではありません。
マンション管理は共同財産の管理であり、多くのことを複数人で決める仕組みだからです。
「現在の管理会社のままでは難しいのではないか」
「一度、他社から話を聞いてみよう」
「このまま自主管理を続けるのは厳しい」
そんな程度で構いません。
まず、もう一人、同じ方向を向く人を見つける。
二人になれば、情報を共有できます。
理事会で問題提起することもできます。
他の区分所有者に説明することもできます。
管理会社を探す作業も分担できます。
管理会社変更を成功させるために必要なのは、強いリーダーが一人いることだけではありません。
少なくとも「これは一度考えた方がよい」と共有できる人がいることの方が重要です。
そして初めて、管理会社を探す
ここまでできたら、管理会社探しに入ります。
しかし、会社名だけを見て選ぶのではなく、まず自分たちが何を頼みたいのかを整理します。
例えば、
全面的に管理を任せたい
会計、理事会・総会支援、建物管理、業者手配などを一通り管理会社に委託する。
一部だけ任せたい
会計業務だけ、あるいは理事会支援など、負担の大きい部分だけを委託する。
自主管理を残したい
住民でできる仕事は残し、専門性や継続性が必要な部分だけ外部化する。
小規模マンションでは、この選択が非常に重要です。
全面委託を前提に管理会社を探すと、管理委託費が高くなり、選択肢がなくなることがあります。
逆に、自分たちで十分できる仕事まで管理会社に頼む必要はありません。
見積金額だけで比較しない
管理会社を数社見つけたら、見積りを比較します。
ただし、総額だけを横に並べるのは危険です。
確認したいのは、
- 管理会社が何をするのか
- 管理組合に何が残るのか
- 理事会にはどこまで関与するのか
- 会計業務の範囲
- 建物巡回の頻度
- 修繕時の対応
- 緊急時の連絡体制
- 担当者一人あたりの担当物件数
- 別途料金になる業務
などです。
月額5万円安くても、これまで管理会社が行っていた仕事の多くが管理組合側に戻ってくるなら、本当に安くなったとは限りません。
逆に、現在より管理委託費が上がっても、役員が担っていた仕事を大幅に減らせるなら、その価格が合理的なこともあります。
「管理会社が見つからない」は管理体制を見直す機会でもある
管理会社が見つからないと、不安になります。
今の管理会社から契約を終了されたらどうなるのか。
自主管理に戻れるのか。
理事長が全部やらなければならないのか。
しかし、管理会社が見つからないときほど、
「そもそも、今のマンションにはどのような管理体制が必要なのか」
を考える機会でもあります。
今までと同じ管理会社。
今までと同じ業務。
今までと同じ理事会。
それをそのまま次の会社に移すことだけが、管理会社変更ではありません。
会計だけ外に出す。
管理員を減らして巡回型にする。
理事会支援を厚くする。
住民が担える仕事は残す。
逆に、自主管理では限界なら管理会社に一通り任せる。
いくつもの組み合わせがあります。
一段ずつ進めればよい
管理会社変更は、短期間で一気に進める必要はありません。
まず相談する。
マンションの状況を整理する。
一人、仲間を見つける。
理事会で問題を共有する。
何を外部に任せるのかを決める。
管理会社を探す。
見積りを比較する。
総会で決める。
一段ずつ階段を上がっていけばよいのです。
最初から正解の管理会社を見つけようとする必要はありません。
むしろ重要なのは、
「どの会社が一番よいか」より、「自分たちのマンションには、どのような管理が必要なのか」を先に考えることです。
そこが整理できて初めて、管理会社を正しく比較できるようになります。
小規模マンションの管理会社をお探しの方へ
KTCでは、小規模マンション・自主管理マンションについて、全面的な管理委託だけでなく、会計業務のみ、一部委託、自主管理を残す方法なども含めて管理体制を整理しています。
管理会社を変更すると決めていない段階でも構いません。
現在の管理方法と困っていることを確認し、何を管理組合に残し、何を外部に任せるのが現実的かを一緒に考えます。
