管理会社に断られた後、次の管理会社をどう探すか

「申し訳ありませんが、今回はお見積りできません」

「戸数が少ないため、受託対象外です」

「現状の管理内容では、この金額以外でお受けすることはできません」

管理会社を探している小規模マンションから、このような相談を受けることがあります。

管理会社に断られると、

「もっと小さな管理会社なら受けてくれるのではないか」

「とにかく何社も見積りを取ろう」

と考えたくなります。

しかし、一社、二社と断られた後に、何も条件を変えず、同じ資料を持って次々と管理会社を回っても、同じ結果になる可能性があります。

大切なのは、

次の管理会社を探す前に、「なぜ断られたのか」を確認することです。

管理会社が断る理由は、戸数だけではない

もちろん、小規模マンションは管理会社にとって採算を取りにくい面があります。

10戸のマンションでも100戸のマンションでも、総会や理事会、会計、契約、修繕対応など、一定の仕事は発生します。

戸数が10分の1になっても、管理会社の仕事が10分の1になるわけではありません。

そのため、小規模マンションを受託対象外としている会社もあります。

しかし、断られる理由はそれだけではありません。

例えば、

  • 滞納が多い
  • 会計資料が整理されていない
  • 管理規約や議事録が不足している
  • 修繕履歴が分からない
  • 管理費が極端に低い
  • 理事会が機能していない
  • 一部の区分所有者との対立が激しい
  • 管理会社に求める業務範囲が広すぎる
  • 現在の管理会社との引継ぎが難しそう

こうした事情も受託判断に影響します。

つまり、

「小規模だから断られた」と思っていたが、実際には別の理由も含まれていた

ということがあります。

まず「断られた理由」を聞いてみる

管理会社から断られたとき、可能であれば理由を聞いてみてください。

もちろん、管理会社が詳細な理由まで説明してくれるとは限りません。

それでも、

「戸数が理由なのか」

「管理費水準なのか」

「管理状況なのか」

「業務内容なのか」

程度は確認できることがあります。

ここを確認せずに、

「A社がダメだったからB社」

「B社もダメだったからC社」

と進めても、同じ条件なら同じ結果が続きます。

管理会社探しは、会社数の問題ではありません。

管理組合運営そのものを受託してもらえる状態に近づけることも必要です。

管理会社に見せる資料を整理する

次に行いたいのが、管理資料の整理です。

最低でも、

  • 管理規約
  • 直近の総会議案書・議事録
  • 決算書・予算書
  • 管理費等の滞納状況
  • 現在の管理委託契約書
  • 建物・設備の概要
  • 修繕履歴
  • 長期修繕計画

などについて、あるもの・ないものを確認します。

すべて完璧である必要はありません。

むしろ重要なのは、

「何が分かっていて、何が分かっていないのか」

を説明できることです。

資料が不足しているにもかかわらず、

「詳しいことは分からないので、全部調べてください」

となれば、管理会社から見ると受託後の業務量が読めません。

業務量が分からなければ、断るか、高めの見積りを出すことになります。

「今までと全部同じ」を一度疑う

現在の管理会社とまったく同じ仕事を、まったく同じ方法で、もっと安くやってくれる会社を探す。

それができれば理想です。

しかし、小規模マンションでは、それが難しいことがあります。

そこで、一度、

本当に現在と同じ管理内容が必要なのか

を考えてみます。

例えば、

週5日の管理員は必要なのか。

理事会には毎回管理会社担当者が長時間出席する必要があるのか。

紙で行っている仕事を減らせないのか。

管理組合側でできる簡単な仕事はないのか。

逆に、会計や修繕など、専門性の高い部分はもっと管理会社に任せた方がよいのではないか。

管理会社変更は、

今までの管理をコピーする作業

ではありません。

管理体制そのものを見直す機会でもあります。

全面委託以外の方法もある

管理会社に断られたからといって、

「全面委託してくれる管理会社が見つかるまで探し続ける」

必要はありません。

例えば、

  • 会計業務だけ外部委託する
  • 巡回点検だけ依頼する
  • 理事会支援を依頼する
  • 管理組合側でできる仕事は自主管理として残す
  • 一定期間、管理体制を整理してから管理会社への全面委託を検討する

という方法もあります。

特に自主管理マンションの場合、

自主管理か全面委託か、

という二択で考えると、選択肢が非常に狭くなります。

一部だけ外部化することで、無理なく運営できるマンションもあります。

一人で管理会社探しを抱え込まない

もう一つ大切なのは、管理会社探しを一人で背負わないことです。

理事長が、

見積りを取る。

管理会社と面談する。

資料を集める。

住民に説明する。

理事会を説得する。

全部一人で進めようとすると、非常に大きな負担になります。

まず理事会で、

「管理会社から断られている」

という事実を共有してください。

そして、

「このまま同じ条件で探し続けるのか」

「条件を見直すのか」

を話し合う。

管理会社探しは、理事長個人の仕事ではなく、管理組合として考えるべき課題です。

もし現在役員でなくても、問題意識を持っているのであれば、まず一人でも同じ問題意識を持つ区分所有者を探すところから始めればよいと思います。

高い見積りにも理由がある

管理会社から高額な見積りが出ると、

「小規模マンションだから足元を見られている」

と思うかもしれません。

その可能性を完全に否定するわけではありません。

しかし、高い見積りには、

「このマンションを管理するには相応の人手が必要だ」

という判断が含まれていることもあります。

そこで見るべきなのは、

単純な金額ではなく、

なぜこの金額になるのか

です。

会計処理なのか。

管理員なのか。

理事会対応なのか。

修繕対応なのか。

業務項目ごとに分解すると、

減らせるものと、減らすべきではないものが見えてきます。

断られたこと自体が、管理を見直すきっかけになる

管理会社に断られることは、管理組合にとって気持ちのよい出来事ではありません。

しかし、管理会社が引き受けたがらないということは、

現在の管理方法に何らかの無理が生じていることを示している場合もあります。

もちろん、単純にその管理会社の営業方針であることもあります。

だから、一社に断られただけで、

「このマンションは問題物件なのだ」

と考える必要はありません。

一方で、複数社から同じような反応を受けるのであれば、一度立ち止まる価値はあります。

次の会社を探すより、

次の会社が引き受けやすい管理状態をつくること

の方が先かもしれません。

次に探すのは「会社」だけではない

管理会社に断られた後に探すべきものは、次の管理会社だけではありません。

まず相談できる人を探す。

管理組合の中で一緒に考える人を探す。

現在の管理状態を整理する。

何を外部に任せるかを決める。

そのうえで初めて、次の管理会社を探す。

この順番の方が、結果として管理会社変更は進みやすくなります。

管理会社変更を成功させることが目的ではありません。

目的は、

そのマンションが無理なく管理を続けられる状態をつくること

です。

そのために管理会社変更が必要なら変更する。

一部委託で足りるなら一部委託にする。

自主管理を残せるなら残す。

管理会社に断られたときこそ、「どの会社に頼むか」だけではなく、「これからどのように管理するか」を考えてみることをおすすめします。


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